インフレや金利上昇が気になります。現金以外も持っておくべき?
インフレや金利上昇が気になります。現金以外も持っておくべき?お金のこと、難しいですよね。皆さんから寄せられたお金の疑問や悩みなどに、オールアバウトの専門家が回答します。今回は、インフレや金利が上昇している場合、現金だけではなく、他の金融商品も持っておくべきかと
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お金のこと、難しいですよね。
皆さんから寄せられたお金の疑問や悩みなどに、オールアバウトの専門家が回答します。
今回は、インフレや金利が上昇している場合、現金だけではなく、他の金融商品も持っておくべきかという質問です。
Q:現金だけでは、インフレや金利上昇に勝てないのでしょうか?「コロナや不安定な世界情勢によって、物価や金利が上昇しているのが気になります。
現在、銀行に預金している以外に資産を持っていません。
将来的なことも踏まえ、現金以外の金融商品も持っておくべきでしょうか?」(40代後半)
A:残念ながら、現金を保有しているだけでは、勝てないと思います日本は1990年代の後半から、長くデフレーション(物価の持続的な下落)に苦しみました。
これはモノの値段が下がり、その結果モノを作っている企業の売上が減少し、業績悪化で従業員の給料が下がるという悪循環になりました。
この時代には、目減りすることのない現金(預金)で保有することが有効でした。
株価が低迷し、金などの資源価格も需要がないので下落傾向になります。
モノで持つことが不利になるというわけです。
モノが売れないのであれば、企業は設備投資をしないため、資金需要も低迷します。
つまり、金利が低下していきます。
そこで「キャッシュ・イズ・キング(現金が王様)」となります。
一方、インフレーション(物価の持続的な上昇)局面では、この逆のパターンになります。
モノの需要が増加し、値段が上昇傾向になる。
モノが高く売れれば企業の業績が向上し、従業員の賃金も上昇傾向になります。
企業の業績拡大は株価の上昇を呼び、使用する資源の価格も上昇傾向をたどります。
また、需要が増加し、穀物などの商品の値段も上がっていきます。
現金(預金)で保有していると、こうした流れについていけないことになります。
モノの値段が上昇することで、貨幣の価値が相対的に低下してしまうからです。
モノが売れるので借金をしてでも設備投資を行います。
つまり、資金需要があるのでまず貸出金利が上昇します。
もちろん、預金金利も上がるのですが、物価上昇についていけないケースが大半です。
現在、日本のメガバンクの定期預金(1年もの)の金利は、年0.002%程度ですが、株式の配当利回りは2.3%程度あります。
インフレの状況下にあっては、現金(預金)ばかりではなく、株式や投資信託、金、土地などへの投資を考えてみるのもよいかもしれません。
文:和島 英樹(マネーガイド)
(文:和島 英樹(マネーガイド))