雨の日はとくに注意 こびりついた桜の花びらが車の天敵になる
雨の日はとくに注意 こびりついた桜の花びらが車の天敵になる花びらがクルマに悪影響を及ぼすってホント?春はさまざまな花が咲き乱れ、美しい景色を見に出かける機会が増える季節です。しかし、目では美しい舞い散る花びらが、じつはクルマにとっては厄介な存在になってし
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春はさまざまな花が咲き乱れ、美しい景色を見に出かける機会が増える季節です。
しかし、目では美しい舞い散る花びらが、じつはクルマにとっては厄介な存在になってしまうことがあるといいます。
一体どういうことなのでしょうか。

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春の風物詩として人気の桜ですが、桜の花びらが散ると道路はピンクの絨毯のような状態になります。
風情はありますが、そのままにしておくとクルマのボディにこびりつく恐れがあり、これがクルマには大敵となるようです。
都内の洗車専門店のスタッフKさんに話を聞いてみました。
「とくに雨のなかを走行するなどして濡れた花びらがクルマに付着したときは、放置しないほうが良いです。
花びらは有機物なので、虫の死骸と同じようにコーティング膜や塗装に徐々に侵食してシミになってしまうことがあるのです」
濡れた花びらがボディに張り付いても放置してしまいがちです。
乾けば問題ないかと思っていましたが、落ち切らないことも多いようです。
「忘れやすいのがホイールハウスの内側です。
見えている部分だけでなくサスペンションの付け根などかなり奥まで入り込んでしまうケースもあります。
ほかにもグリルの奥にあるラジエーターなどにも花びらは付着しやすいので、なるべく早く取り除くことをおすすめします」(洗車専門店スタッフ Kさん)
埼玉県の整備士H氏にも聞いてみると、花びらの影響はラジエーターの目詰まりなどといった機関的な部分よりも、ボディのシミの原因になるほうが懸念されるといいます。
「ラジエーターだけでなく、エンジンルームに花びらが入り込んでしまうのはよくあることです。
ただし大量に吸い込まない限り、故障に結び付く心配はありません。
それよりボディ、とくに下回りに付着したままの状態ですと、見えないところでの侵食やシミが生じやすいでしょう。
それでも冬の融雪剤や海岸沿いなどで発生する塩害と比べれば心配するほどではないかもしれませんが」
※ ※ ※
ボディに悪影響がある花びらですが、秋の落ち葉などと同じようにスリップの原因になり得るのでしょうか。
H整備士は次のようにいいます。
「峠道などを走行中に雨が降ってくると、散った花びらによってスリップする可能性はゼロではないと思います。
ただし枯れ葉や雪などと比べるとその可能性は低く、通常の走行スピードであれば小さい花びらでスリップするためにはよほどの量がない限りは大丈夫です。
ただしこれが時速100kmに近い速度になれば、ちょっとした操作ミスでもバランスを崩しやすくなります。
そんな走行状態では花びらによってスリップする可能性も否定はできません」
雨天時のスリップは、降雨によるものなのか花びらが原因なのか判断しづらいといえますが、花びらを踏んでも絶対にスリップしないともいい切れません。
そのため、できるだけ花びらを踏まない、または踏んでしまうような道では速度を抑える意識が必要です。
花びらや鳥のフンなど、どうやって落としたら良い?
花びらのほかにも春先は注意したものがあります。
木の下に駐車すると、花びら以上にボディを傷める可能性のある「鳥のフン」や「樹液」が付着する可能性があります。
前出の洗車専門店のKさんは次のようにいいます。
「鳥のフンには2種類あります。
歯がない鳥は消化器官内の強い胃酸が残っている酸性のフン、糖分が多く含まれたものを食べる鳥のフンはアルカリ性です。
よくクルマに付着している白っぽいフンの正体ですが、あれは鳥の尿です。
タンパク質の代謝で発生するアンモニア尿酸は酸性が強力で、ボディの塗装面へのダメージも大きいといわれています」

鳥のフンは、乾燥してカチカチになってしまうと除去するときにボディを傷付けやすくなってしまうので、早めに除去してほしいそうです。
「また樹液も、天然樹脂として染料にも使われるほど強力です。
水洗いでは落ちにくいのですが、高温では溶けやすい性質があるので、お湯を使って落とすのが良いと思います」(洗車専門店スタッフ Kさん)
ちなみに、花びらはどういった汚れになのでしょうか。
「花びらは、虫の死骸などと同じ有機物ですが、樹木や花などは基本的にはアルカリ性の汚れになります。
乾燥して固着する前に水洗いなどで落とすのが基本ですが、固着してしまった場合は、中性洗剤などを活用して洗車すればキレイに取れます」(洗車専門店スタッフ Kさん)
つまり、鳥のフンや虫の死骸など酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で、樹液や花びらなどのアルカリ性の汚れは中性系の洗剤を使うとボディを傷めにくいというわけです。
化学式でいえばアルカリなら酸性で中和できると考えがちですが、酸性の洗剤は洗浄力が強すぎて逆にボディにはあまり良くないので、中性洗剤がおすすめだといいます。
「洗車後はそのまま放置せずに、しっかりボディコーティングで塗装面を保護してください。
汚れが付きにくくなりますし、付いてしまっても落としやすくなります」(洗車専門店スタッフ Kさん)
※ ※ ※
鳥のフンや樹液がクルマに悪影響を及ぼすことは何となく予想できますが、美しい花びらも良くない成分が含まれていることが分かりました。
いずれにしても、そのようなものが付着したら、なるべく早め取り除くことが大切です。